鶴見大学歯学部
―有床義歯補綴学講座―

       Department of Removable Prosthodontics
               Tsurumi University  School of Dental Medicine

No3


With The Department
 No.3 Winter

February, 2010


【ご挨拶】

教授に就任して早くも1年が経過しました.昨年は私自身わからないことも多く,細井教授の頃に比較して,先生方にはたくさんのご迷惑をおかけしたと思います.まずは謹んでお詫び申し上げます.

さて,新体制となった昨年の講座ではChangeと呼べる出来事が3つあったように思います.ひとつは私が後任教授を仰せつかったこと,ふたつめが新講座の目標でもある人材育成であり,阿部准教授がディレクターとなり,新人のアドバンスコースを開講したことです.講義と実習から構成される非常に充実したプログラムが実施されました.さらに3年間の専門医養成コースに発展させるため,来年度も一層拡充を図る予定です.3つめは教育,診療,研究の充実です.まだ教育の最終目標である国家試験の成績が発表されていませんが,実習では若手教員の活躍が目立ちました.診療面では補綴科内の診療患者数および診療収益が微増しました.研究面では講座全体で計12本の英語論文を学術雑誌に投稿しました.教授が新米であるにもかかわらず,教室員全員の多大なる努力の賜と感謝しています.

しかし,歯学部を取り巻く環境は予想以上に厳しく,国家試験合格率の低迷や入学志願者数の激減に私たちは非常に危機感を強めています.何とかこの危機を逆にチャンスに変えて歯学部を再生させるため,教室員の総力を結集し邁進する所存ですので,今後もご支援,ご協力をお願い申し上げます.

大久保力廣


【近況報告】

・第41回全日本歯科学生総合体育大会で鶴見大学は健闘の結果,本学初となる総合6位入賞を果たし    

 ました.

・平成21年10月1日付けで日大松戸から早川 徹先生が歯科理工学講座の教授にご就任されました.

・歯学部附属病院では11月2日より電子カルテシステムが導入され,より一層の医療サービスの向上に励んでいます.

・今年2月1日に鶴見大学歯学部のI期入学試験が行われました.U期試験は3月3日に行われます.

・ 第103回歯科医師国家試験が2月6・7日に行われました.

・ 国連UNHCR難民支援歯科診療が2月23日から始まります.教室の佐藤洋平先生,新保秀仁先生がメン バーになっています.


では平成21年度下半期の教室の主な動向をお知らせします.

・ 10月15日に誕生会が行われ,教室員,補綴科衛生士,受付などの多くの方々で滝新典生先生の還暦をお祝いしました.

・ 花谷重守先生が永年の功績を称えられ永年勤続者の表彰を受けました.

・本年度,大学院を修了するのは3名の先生で,学位論文を提出しました.

  高林洋太  :Characteristics of thermoplastic resins for non-metal clasp dentures

  林 大悟  :微粒子ピーニング処理によるコバルトクロム合金および純チタンの表面改質-特に疲労強    

               度について-

  村石絵麻 :レーザー溶接したエーカースクラスプの維持力と適合性

・ 臨床助手の仲宗根 剛先生が12月31日付で退職され,日本鋼管病院の歯科室に勤務しました.

(2009.10.15 滝新先生還暦の祝い)
(2009. 12. 10 忘年会)

【学会発表】
1)日本医用歯科機器学会 (鶴見大学記念館 2009.9.12)
長田秀和 ほか   展示「インプラントオーバーデンチャー用角度補正型マグネットアタッチメントの
開発」
2)第39回日本口腔インプラント学会学術大会(大阪2009.9.25-27)
鎌田奈都子 ほか   口演「インプラントオーバーデンチャー用アングルマグネットアタッチメントの
研究開発」
鈴木恭典 ほか    展示「インプラントオーバーデンチャ?の補綴臨床統計調査」
佐藤洋平 ほか   展示「日本人における下顎インプラントオーバーデンチャーの臨床評価」
3)International College of Prosthodontics (ICP)(South Africa 2009.10.10-13)
Ohkubo C et al.       展示「Trayless impression for implant prosthesis to prevent patient’s vomitingreflex」
Shimpo H et al.展示「Bonding of auto-polymerized polymethyl methacrylate resin to nylon denture
base」
Tokue A et al.    展示「Prosthetic management of a patient with severe grinding using a removablemetal
splint : A case report」
Sato Y et al.    展示「Morphological analysis of tongue and mandible in japanese males」
4)第26回日本障害者歯科学会学術学会(名古屋2009.10.30-11.1)
竹内佐枝 ほか展示「障害者の補綴処置(case3)−異常絞扼反射の患者に可撤性有床義歯を製作し
良好な経過を得た1症例−」
徳江 藍 ほか展示「障害者の補綴処置(case4)−咬合神経症患者に可撤性メタルシーネを適応し
良好な経過を得た1症例−」
5)第19回日本磁気歯科学会学術大会(盛岡2009.11.14-15)
鎌田奈都子 ほか口演「インプラントオーバーデンチャー用角度補正型マグネットアタッチメントの
開発−その2 角度補正前後の吸引力の比較−」
武藤亮治     口演「審美性を考慮して磁性アタッチメントを応用した一症例」
6)5th Asian Academy of Osseointegration(Bali 2009.11.21)
  Ohkubo C     展示「Recent developments on implant removable prostheses」
Suzuki Y et al.    展示「Long-term evaluation of implant denture in vivo」
Osada H et al.    展示「Immediate function of one-piece implant overdentures using Nobel Guide」
Shimpo H et al.展示「Bite impression with FGP for implant prostheses」

7)鶴見大学歯学会第70回例会 (鶴見大学会館 2009.)
林 大悟 ほか    口演「義歯耐用年数の延長を目指した「過去,現在,未来」−微粒子ピーニング
              により折れないクラスプを目指した未来へ−」
村石絵麻 ほか    口演「義歯耐用年数の延長を目指した「過去,現在,未来」−レーザー溶接による義歯修理の現在−」
花谷重守 ほか    口演「義歯耐用年数の延長を目指した「過去,現在,未来」−金属床義歯から金属構造義歯へ−」
高林洋太 ほか        口演「ノンクラスプ用材料の理工学的性質についての検討」
8)平成21年度日本補綴歯科学会西関東支部学術大会 (横浜 2010.1.10)
矢崎ひとみ ほか   口演「機能的咬合印象法を用いたインプラント固定性補綴装置の製作」
高山慈子 ほか    口演「レーザー溶接におけるアルゴンガスの影響」
椎名順朗 ほか    口演「全部床義歯患者の義歯使用感の変化に関する研究」
東條敏明 ほか    展示「全部床義歯患者の義歯床形態が咀嚼機能と満足度に及ぼす影響」
諸熊正和 ほか    展示「義歯が関与する脳機能の活性化因子について−咬合力の向上が脳機能に及ぼ
す影響−」
佐藤洋平      展示「セクラロックアタッチメントを使用して審美的改善を図った1症例」
武藤亮治            展示「右側頬粘膜切除後の無歯顎患者に全部床義歯を装着した1症例」
9)  第28回日本接着歯学会学術大会 (松江 2010.1.23-24)
新保秀仁 ほか    口演「ノンクラスプデンチャーの修理に関する研究」 

【論文発表】
1)大久保力廣 ほか「ノンクラスプデンチャーの特徴と臨床応用」  
(デンタルダイヤモンド34;22-44, 2009)
2) Suzuki K et al.        「A study on the number of new denture adjustments in complete denturewearers
―Relationship to condyle morphology―」
     (Tsurumi Univ Dent J 35: 178-188, 2009)
3) Ishikawa C et al.        「Effects of Clenbuterol, a β2-Adrenergic agoist, on size of masseter,temporalis,
digastric, and tongue muscles」
     (Open Dent J 3 : 191-196, 2009)
4) Suzuki Y et al.        「Handling efficiency of autopolymerized resin applied using the brush-ontechnique」
     (Int Chin J Dent 9 : 33-38, 2009)
5) Kaneda K et al.         「Application of a split-type obturator retained by magnetic attachments」
     (JJ Mag Dent 18:34-38: 2009)
6) Ohkubo C et al.         「Implant overdenture using knows telescope on one-piece implant: A casereport」
 (Eur J Prothodont Restor Dent 17:188-191: 2009)
       
【Message from inside】
鶴見で迎える17年目の春,大学院を修了させて頂くこと
となりました村石絵麻です。

第一講座で学ばせていただいた4年間を礎に,歯科医師
としてこれからも頑張りたいと思います。今後ともご指導、
ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

              村石絵麻(写真左)
この度大学院を修了する予定の林洋太です。4年間という時間は割と長く感じられました。

先生方にお世話になりっぱなしでしたが無事論文もギリギリ終えることが出来ました。ありがとうございました。来年度も講座に在籍させて頂くことになりましたので今後とも

先生方の御指導、ご鞭撻を賜りたいと思います。宜しくお願い致します。                    

高林洋太(写真中央)

本年度大学院を修了することになりました林大悟です。院入学前より花谷先生と計画していたテーマを共著という形で論文とし、さらに私の学位取得にもつなげられたことを本当に嬉しく思っております。これまでの大学院生活に関わってくださった多くの方に感謝を示すと共に、まだまだ研究、臨床と達成できなかった点も多くありますので今後とも更なるご指導をお願いできればと思います。  
  林 大悟(写真右)

細井教授のご退職から間もなく2年、大久保教授のもと
で第一講座が新たにスタートしてからも丸1年を越えまし
た。この間私は医局長を拝命し、慣れぬ業務に奔走して
おります。昨年は還暦を迎え、教室の皆さんにお祝いし
ていただきました。

若い力溢れる教室に、多少は年寄りの智恵を生かした
い、と思っています。

                                              滝新典生



【今後の予定】

第89回 IADR(スペイン, バルセロナ 2010.7.14-17)
第119回 日本補綴歯科学会 学術大会 (東京 2010.6.11-13)
第55回 日本歯科理工学会学術大会 (東京 2010.4.17-18)



以上,簡単に教室の現状と予定をお知らせしました。
先生方の一層のご活躍をお祈り申し上げます.
     ニュースレター担当

鈴木恭典,西山雄一郎,佐藤洋平


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