鶴見大学歯学部
―有床義歯補綴学講座―

       Department of Removable Prosthodontics
               Tsurumi University  School of Dental Medicine

診療科目


昭和44年11月鶴見大学歯学部附属病院開設以来,1歯欠損から無歯顎に至る広範囲な欠損様式に対し,金属構造義歯,アタッチメント義歯,顎補綴,インプラントデンチャーなど多様な診療を行っている.


部分床義歯補綴治療(Removable Partial Denture)
部分床義歯は、歯根膜と顎堤粘膜という被圧変位量の異なる組織によって支持されています。このため、残存組織を保護しつつ、充分に機能を発揮できるような診断と設計が必要です。また1歯欠損から1歯残存に至るあらゆる欠損症例に適用されます。さらに人工歯と義歯床に加え、支台装置や連結装置など構成要素も多く、設計は多様となります。各種アタッチメントを用いた審美性の高い義歯、金属構造による永続性の高い義歯、FBIテクニックを用いた高精度な義歯、生体親和性に優れたチタン床義歯等、ハイレベルな義歯を製作します。


全部床義歯補綴治療(Complete Denture)
無歯顎患者は咬合機能を全く喪失しており、軟組織によって維持、支持されることが特徴です。特に正しい義歯咬合位を構成することが大切です。発音も不自由になり、口唇や頬の支持が失われて、いわゆる老人性顔貎を呈します。全部床義歯の装着によって機能と審美性の回復がなされるわけです。全部床義歯は人工歯と義歯床で構成され、単純な形態を有していますが、口腔内で維持、支持、安定を得るためには、顎口腔系との調和が保たれなければなりません。当講座ではフレンジテクニック、リモールディング、ピエゾグラフィーにより生理学的に製作した快適性の高い義歯を提供しています。

インプラント治療(Implant Denture)
インプラントオーバーデンチャーでは、義歯はインプラントに強固に維持・支持されるため、上顎では口蓋部を広く開放することができ、下顎では最大開口しても義歯が離脱しないようになります。また、通常の部分床義歯では困難な部分欠損の難症例に対してもインプラントは有効で、少数のインプラントを埋入することで義歯の動きを大幅に抑制し、長期間の良好な予後が期待できます。特に高度に顎堤吸収した下顎の無歯顎には有効で、2本のインプラントの埋入により義歯機能が飛躍的に向上します。当講座では診断から義歯装着、メインテナンスまで一貫したインプラント治療を行っています。

顎顔面補綴治療(Maxillofacila Prosthodontics)
腫瘍、外傷、炎症、先天奇形などが原因で、顎骨とその周囲組織に生じた欠損に対し、人工物で補填あるいは修復し、失われた機能と形態の回復を図ります。特に顎顔面補綴治療にあたっては、その障害が多岐にわたるため、チームアプローチが必要であり、医科や口腔外科、矯正科、小児歯科などと連携して治療が行われています。

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