鶴見大学歯学部
―有床義歯補綴学講座―

       Department of Removable Prosthodontics
               Tsurumi University  School of Dental Medicine

No8


With The Department
No.8  Summer

September, 2012


【ご挨拶】
金7,銀14,銅17.史上最多となる計38個のメダルを獲得した日本選手達のロンドンオリンピックでの活躍に,この夏,日本中が熱狂しました.世界の檜舞台で人類最高位を競い合った結果,感涙にむせぶ数々の名場面を盛り込んだ多くのドラマが生まれました.みごと表彰台に上がった選手達を心から祝福したいと思います.またメダルは取れなくても大震災以来沈滞している国民に勇気と感動を与えてくれた選手達にも心から感謝したいと思います.オリンピック観戦をしながらいつも感じることは,選手達がそこに到達するまでに費やした膨大なエネルギーの尊さです.アスリート達には並外れた才能があることはもちろんですが,その才能を開花させ,一線で活躍するためには毎日の苦痛を伴った汗と涙があったはずです.他人では窺い知ることのできない壮絶な努力を継続した者のみが栄光を勝ち取れたに違いありません.
オリンピックムードで沸き返ったこの夏,私達の職場である2号館は耐震工事の真っ最中であり,騒音,震動,悪臭,埃に悩まされる中での業務を余儀なくされました.追い打ちをかけるように研究室のエアコンが相次いで故障し,著しく不快指数の高い仕事場となりました.そうした劣悪な環境の中でも不満を言わずに,教育資料の準備,論文の作成,学会業務等のため夜遅くまで仕事に従事する教室員達には本当に頭が下がる思いです.日々の尊い努力の積み重ねこそが低迷する本学歯学部を活性化し,蘇生させるのだと信じています.また,こうした努力が必ず報われるような講座を構築することが,私に科せられた使命だと痛感しています.
この耐震工事に併せて研究室の模様替えを行いました.老朽化した機材や備品を処分すると同時に従来の第1研究室から教室員の机を片付け,非常勤の先生方用のデスクとミーティング用テーブルを設置し,簡単な会議や食事,談話,小宴会ができる憩いの場としました.これまで先生方には,せっかく講座にお越し頂いても休憩場所がなかったわけですが,今後は第1研究室を解放型医局としてご利用頂ければ幸いです.また,ご多忙中とは存じますが,欧米の歯学部に倣いご開業の先生方にも,非常勤講師としてぜひ基礎実習や臨床実習で学生指導をお願いできれば有り難く存じます.
どうぞ今後とも倍旧のご指導,ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます.
大久保力廣

【近況報告】
・ 平成24年1月1日付けで奥村 敏先生が生理学講座の教授にご就任されました.
・ 第105回歯科医師国家試験2月4日,5日に行われました.受験者数は3,326人,合格者数2,364人.全体の合格率は71.1%でした.鶴見大学は63.9%(新卒81.3 % 既卒:38.4%)で,29校中25番目でした.
(新卒は15位)
・ 3月より1,2号館の耐震補強改修工事が始まりました.
・ 社団法人宮城県歯科医師会から鶴見大学に東日本大震災における被災地での歯科診療救護活動に対する感謝状が贈呈されました
・ 4月5日には入学式が行われました.今年度も全国的に歯学部入学志願者が大幅に減少し,定員割れとなった私立大学歯学部が17校中7校ありました.本学も定員128名に対して入学者は75名でした.
・ 平成24年5月1日付けで大久保教授(有床義歯補綴学),濱田教授(口腔顎顔面外科学)が歯学部附属病院副病院長に併任されました.
・ 歯学部の1日体験入学が7月26日と8月25日に行われ,当講座は体験実習を担当しました.
では平成22年度下半期の教室の主な動向をお知らせします.
・ 歯学部学内教授の阿部 實先生,大貫昌理先生が平成23年3月31日付けで退職し,臨床教授に就任されました
・学内講師の鎌田奈津子先生,学部助手の千葉ひかり先生が平成23年
3月31日付けで退職しました.
送別会』川崎日航ホテルにて  

・諸熊正和先生が助教に就任されました
・岡本直子先生が平成23年度日本補綴歯科学会奨励論文賞を受賞しました
・廣田正嗣先生が平成23年度日本再生医学会で優秀論文賞を受賞しました.
・徳江 藍先生が第121回日本補綴歯科学会学術大会(横浜)で課題講演賞を受賞しました.
・佐藤洋平先生が日本歯科CAD/CAM学会(東京)および日本審美歯科学会(札
   幌)で最優秀発表賞を受賞しました.
・常勤専科生として石川 優,斉藤甲子,白崎絵美子,鶴岡 淳,松井朋子,宮本顕彰,羅 広W先生が入局し,大学院生として櫻井敏継,白井麻衣先生が入学しました.
・助教の花谷重守先生がニューヨーク大学での1年間の留学を終え,帰国しました.
・北京首都医学院(中国)から10年ぶりにZegn Jianju先生が8〜10月の2カ月間,有床義歯補綴学講座に短期留学します.

【学会発表】
日本口腔インプラント学会第31回関東甲信越支部学術大会(東京, 2012.2.11,)
鈴木恭典 ほか
口演 「インプラントデンチャー用緩圧型ボールアタッチメントの臨床応用」
西村伸明 ほか
展示 「ピエゾグラフィーを適用したインプラントオーバーデンチャーの製作」

第25回歯科チタン学会 (愛知, 2012.2.18)
漆原 優 ほか
口演 「チタン床義歯フレームワークに対するプラークの付着性」
徳江 藍 ほか
口演 「微粒子ショットピーニング処理を用いたクラスプの維持力」

The 11th International Conference on Magnetic Applications in Dentistry JSMAD
(web site 2012.3.5-23)
Kono K, et al.
展示「Pressure distribution of implant-supported removable denture with stress-breakingattachments」


第3回歯科CAD/CAM学会 (東京, 2012.4.15)
佐藤洋平 ほか
口演 「前歯部歯冠修復における機能的?審美的な調和を獲得するためのCAD/CAMとプレスセラミックスの応用」

Japan China Dental Conference 2012 West China College of Stomatology (Sichuan 2012.4.27)
Ohkubo C et al.
展示 「Current concept of implant-supported removable partial dentures」

日本補綴歯科学会第121回学術大会 (神奈川, 2012.5.27)
大久保力廣
シンポジウム 「ノンクラスプデンチャーの現状と問題点 ー欠損補綴の一選択肢になり得るのかー」
徳江 藍 ほか 
学会口演 「微粒子ショットピーニング処理を用いたクラスプの維持力と疲労強度」
石川朱見 ほか
学会口演 「フレキシブルデンチャー6年経過後の予後調査」
西山雄一郎 ほか
展示 「下顎位および顎機能の偏りが身体重心動揺に及ぼす影響  第4報 咬合高径の変化による影響」

鶴見大学歯学部同窓会ポストグラデュエートコース(神奈川, 2012.3.11)
大久保力廣 佐藤洋平ほか
講演 「パーシャルデンチャー再考 ?設計をしてみよう?」

東京歯科大学理工懇談会 (東京, 2012.3.23)
大久保力廣
講演 「最近のデンチャーの動向」

【論文発表】
大久保力廣
「チタン床義歯の現状と将来」
【チタンと歯科臨床 10(1):2-10, 2012】

廣田正嗣 ほか
「擬似体液中におけるUV照射チタンおよびジルコニア上へのアパタイト沈着」
【日本再生医学会誌 9(1): 19-30,2011】

Suzuki Y, et al.
「Long-term clinical evaluation of implant overdenture」
【Journal of Prosthodontic Research 56(1):32-36, 2012】

廣田正嗣 ほか
「ノンクラスプデンチャーにおけるレストの有無が義歯床下粘膜の負担圧分布に及ぼす影響」
【日本補綴歯科学会誌 4 (2) :193-200, 2012】

TAKAYAMA Y, et al.
「Effects of argon gas flow rate on laser-welding」
【Dental Materials Journal 31(2): 316-326,2012】

【その他】
大久保力廣
「ノンメタルクラスプデンチャーの現状」
【日本歯科医学会誌 31: 128, 2012】

大久保力廣
取材
「知って得する新名医の最新治療 入れ歯(歯列欠損)」
【週刊朝日 5.25 2012】

細井紀雄 ほか
「義歯ケアの現状と実際」
【デンタルダイアモンド 4.1 2012】

【Message from inside】

諸熊正和

鶴見大学歯学部を卒業後、臨床研修歯科医、大学院、学
部助手を経て4月から助教に昇進させていただきました。教育
では、基礎実習および臨床実習など多くの学生と接する機会
を頂き、楽しく毎日を過ごしております。また、大学院時代から
咬合が脳機能に及ぼす影響についての臨床研究を多数の先
生のご協力を得ながら続けさせて頂いております。日々の教
育、臨床、研究を確実に実践することで、わずかながらも皆様
に貢献できればと考えております。今後も変わらぬご指導をお
願い申し上げます。

頼もしい先生、先輩方と愉快な同期に囲まれて、充実した生
活を送りたいと思います。これからもよろしくお願いします。

白井麻衣

大久保教授に惚れて入局いたしました。素晴らしい先生、先
輩方に囲まれ、仲良く楽しく生活させていただいております。一
生懸命頑張りますのでお願いいたします。

櫻井敏継
一生懸命頑張ります。よろしくお願いします。
松井朋子
何かと空気読めませんが,よろしくお願いします。
宮本顕彰
人見知りなので,からんでやってください(笑)
石川 優
有床義歯補綴学講座新人の鶴岡です。
やる気、元気、根気をモットーに頑張ります。
鶴岡 淳
鶴見大学36回生の羅です。
日本語しかしゃべれない残念な台湾人ですが、一生懸命頑
張ますのでよろしくお願いいたします。

羅 広輝
神奈川歯科大学出身の斎藤甲子です!
研修医から鶴見でお世話になっております。好きなことは食べる
ことです!

食べる楽しさを義歯で追及したく噛める義歯を学びたく研修後
もそのまま鶴見大学有床義歯補綴学講座に入局させて頂き
ました。どうぞ宜しくお願いします!!

斎藤甲子
【今後の予定】
日本歯科技工学会第34回学術大会 (岡山 2012.9.15-16)
第42回日本口腔インプラント学会学術大会 (大阪 2012.9.21-23)
日本磁気歯科学会第22回学術大会 (徳島 2012.11.2-3)
第22回日本歯科医学総会(大阪 2012.11.9-11)
第22回 全身咬合学会 (横浜 2012.11.24-25)
平成24年度 日本補綴歯科学会西関東支部 学術大会 (横浜 2013.1.20)
平成24年度 日本補綴歯科学会西関東支部 市民フォーラム  (横浜 2012.11.17)
平成24年度 日本補綴歯科学会西関東支部 生涯学習公開セミナー(横浜 2013.1.20)
第90回 IADR(アメリカ シアトル 2013.3.20-23)

以上,簡単に教室の現状と予定をお知らせしました.
先生方の一層のご活躍をお祈り申し上げます.
     ニュースレター担当

        三浦 英司,鈴木恭典

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