鶴見大学歯学部
―有床義歯補綴学講座―

       Department of Removable Prosthodontics
               Tsurumi University  School of Dental Medicine

No4


With The Department
No.4 Summer

  July, 2010


【ご挨拶】
今年度は5名の大学院生を含む計14名の先生が入局しました.学内でも最多の入局者数であり,講座は常勤医45名の大所帯となりました.これは未曾有の超高齢化社会を迎えるにあたり,有床義歯診療の重要性が再認識されてきたことに加え,講座の指導体制が高く評価されているからに他なりません.特に阿部准教授がディレクターとなり昨年より開講したアドバンスコースが好評を博しています.補綴専門医の取得を目標とした3年制プログラムですが,今年度提示された2年目は診断用ワックアップやインプラント治療など,アメリカの補綴専門医プログラムも参考にした膨大な課題の履修が義務付けられています.容易ではない本コースを若い医局員が全員で力を合わせて修得して欲しいと希望しています.
一方,今年度は6月・12月の鶴見歯学会,9月のSIPAF,2月の歯科チタン学会と計4学会を当講座が主管することになりました.特にSIPAFは海外から10名の高名な補綴医と国内からも細井名誉教授はじめ著名な大学教授をお招きし,「有床義歯の生理学的構築」をメインテーマに国際シンポジウム(9月24日, 25日)を開催する予定です.詳細はHP (http://www.8th-sipaf.com/)をご覧頂き,奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます.
歯学部は今,まさしく岐路に立たされています.入学希望者の激減により,大学の危機はますます深刻化しています.大学改革に必要なのは,まず教員の意識改革であり,当講座としても”Student First”を理念に国家試験合格率の向上を第一優先課題とし,鶴見大学歯学部を誇り高い母校として復活させるために,全教室員が一丸となって勇往邁進する所存です.
大久保力廣
【近況報告】
・第103回歯科医師国家試験 2月6・7日に行われました.受験者数は3465人,合格者数2408人.全体の合格率は69.5%でした.鶴見大学は57.1%(新卒:77% 既卒:33.3%)で,29校中25番目でした.
・平成22年4月1日付けで本学歯科放射線学講座の小林 馨教授が歯学部長にご就任されました. 
・平成22年4月1日付けで本学の下田信治先生が口腔解剖学第一講座の教授にご就任されました.
・4月5日には入学式が行われました.今年度も全国的に歯学部入学志願者が大幅に減少し,定員割れとなった私立大学歯学部が11校ありました.鶴見大学歯学部も大幅な定員割れが生じました.
では平成22年度上半期の教室の主な動向をお知らせします.
・高林洋太,林 大悟,村石絵麻の3名の先生が3月に学位を取得し,大学院を修了いたしました.
・学部助手の武藤亮治先生が平成22年3月31日付けで退職しました.
・歯学部助教の任期更新が行われ,当教室は助教全員が任期を更新しました.
・診療科助手として鏑木就人先生,北野展久先生,専科生として有我朋子先生,石川朱見先生,岡山章太郎先生,川嶋一誠先生,北原弘子先生,小池宏秋先生,鈴木達也先生が入局し,大学院生として漆原優先生,河野健太郎先生,廣田正嗣先生,幕内俊介先生,松田梨紗先生が入学しました.
・ 大学院の徳江 藍先生が5月?7月の2ヶ月間,福岡歯科大学咬合修復学講座有床義歯学分野に短期留学しました.
・平成22年度鶴見歯学会の集会幹事となり,西山雄一郎準備委員長のもとで主管することになりました.
・5月15,16日に1泊2日で医局旅行(千葉 勝浦)に行きました.





【学会発表】
1)平成22年度日本補綴歯科学会第119回学術大会 (東京 2010.6.12)
西山雄一郎 ほか   展示「下顎位と顎機能の偏りが重心動揺に及ぼす影響 第1報足位による重心動揺と足圧の左右差」
大久保力廣      臨床スキルアップセミナー:全部床義歯を再考する
           講演「RemoldingからPiezographyへ」
高山慈子       研究セミナー:医療統計の基礎
           講演「統計の基本概念」
2)鶴見大学歯学会第71回例会 (鶴見大学会館 2010.6.19)
長田秀和 ほか    口演「弾性熱可塑性樹脂クラスプの維持力に関する実験的研究」
高橋正樹 ほか    口演「弾性熱可塑性樹脂クラスプを用いて審美の改善を図った補綴症例」
鈴木恭典 ほか    口演「抜歯後の顎堤粘膜の疼痛閾値に関する研究」
【論文発表】
1) Ohkubo C et al.        「Developmemnt of angled magnetic attachment for implant overdentures」
(J Jpn Soc Oral Implant 23(1):42-47, 2010)
2)林大悟,花谷重守   微粒子ピーニング処理によるコバルトクロム合金および純チタンの表面改質―特に疲労強度について―
(鶴見歯学36(2):41-51,2010)
3)村石絵麻       レーザー溶接したエーカースクラスプの維持力と適合性
(鶴見歯学36(2):53-65,2010)
4) Osada T et al      「Bending strengths and hardness of autopolymerized acrylic resin」
(Int Chin J Dent10:1-5, 2010)
5)Yoneyama Y et al    「Pressure distribution of mandibular complete denture using soft liningmaterials」
(Int Chin J Dent10:17-21, 2010)

【Message from inside】

猛暑が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。日々の診療では、患者の難しい訴えに耳を傾け、
患者数や診療コストなどを考え、悩ましい問題が山積だと思います。そこで、ストレスを溜めないよう、週に一度は
運動や趣味の日を作りましょう。先週、私は一人新潟と山形の県境を流れる三面(みおもて)川へ釣りに行きまし
た。朝靄の朝日連峰と日本海は美しく、釣れた鮎も心なしかのんびりとした面持ちで、とても癒されました。癒しが
明日への活力の源ですね。     

大貫昌理




・河野健太郎
まだまだ分からないことだらけですが,歯科診療,特
に義歯を通して患者さんの生活をより良いものにで
きるように頑張っていきたいと思います。
・廣田正嗣
廣田正嗣です。歯を失ってしまった全ての方を幸せにできるように,日々,研究・臨床に一生懸命頑張りたいです。よろしくお願い致します。
・漆原 優
大学院にいる間に研究はもちろん、様々な勉強をし、卒業後に得た知識や技術を患者さんに活かしていけるようにしたいので,有意義な大学院生活にしたい思います。
・松田梨沙
1つのことに対して様々な角度から柔軟に考えられるように,たくさん学んでいきたいと思います.まだまだ至らないことも多く,御迷惑をおかけすると思いますが,よろしくお願い致します。
・幕内俊介
学生、研修医時代に不十分だった義歯に対する理解を深めたいと思っています。あと、早く英語の論文が読めるように語学を頑張りたいです。




【今後の予定】

第89回 IADR(スペイン, バルセロナ 2010.7.14-17)

第40回 日本口腔インプラント学会(札幌2010.9.17-19)

第8回 SIPAF (横浜 2010.9.24-26)

第20回 日本磁気歯科学会(名古屋2010.10.30,31)

平成22年度 日本補綴歯科学会西関東支部学術大会(山梨2010.11.28)

以上,簡単に教室の現状と予定をお知らせしました。

先生方の一層のご活躍をお祈り申し上げます.

     ニュースレター担当

土田富士夫,鈴木恭典,高橋正樹
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