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Department of Removable Prosthodontics 鶴見大学 歯学部有床義歯補綴学講座

real estate


No.15 Winter
March, 2016
【ご挨拶】
  寒暖の差が激しいこの季節.2 月 14 日のバレンタインデーは 20℃を超え春本番の暖かさでしたが,3 月14 日のホワイトデーは 10℃前後の冬に逆戻り.その冷たい雨が降りしきる 3 月 14 日に歯学部 41 回生の卒業式が挙行されました.今年は 98 名が卒業しましたが,教務部長の私にとって,この日の卒業生の笑顔が何よりの大きな喜びです.6 年間の永きに渡るカリキュラムはゆとり世代と呼ばれる若者にとっても,決して楽な学生生活ではなかったはずです.私たちが学生の頃より,ある一面においては厳しい歯学教育を受け,合格者数が極端に制限された国家試験の高いハードルを飛び越えなければなりません.今の学生には多くの同情を禁じ得ませんが,大学の庇護の巣から元気に羽ばたく卒業生には,社会の荒波が待ち受けています.
本学を卒業したことに自信と誇りを持って,ぜひ立ち向かっていただきたいと切望しますし,どうしても苦しい時には故郷の大学に羽を休めに戻ってきてもらいたいと思います.卒業生の輝かしい前途を心から祈念いたします.
 厚労省主催の歯科医師の需給問題に関するワーキングが1月 29 日に開催され,歯科医療を取り巻く状況について協議,報告されました.需給推計に必要とされる各要素には大きな振れ幅があるため,毎回予測値は変動していますが,今回は将来の歯科医師の需要と供給のギャップは相対的に縮小し,需要が供給を上回ると推計されました.これまでの研究班のデータと異なる結果となったことは,推計予測自体が非常に困難なことを物語っています.こうした流動的な予測値や歯科医師会の見解で卒業生の人生の分岐点が左右されるのも耐え難い思いです.もちろん,歯学教育機関も学生の立場を最優先した取り組みと教育改革が必要と痛感する次第です.
 当講座から,この 3 月に 14 名のたくさんの先生が退職されます.何とも寂しい限りですが,2 年前の新入医局員が 13 名でしたので,仕方のないことと割り切るしかございません.当講座で培った補綴の考え方や技術をそれぞれの立場で,社会に還元していただければ幸いです.力強く羽ばたく先生方の輝かしい前途を学部卒業生と同様に心から祈念いたしますが,時折は故郷の医局を思い出し,羽を休めに来てください.
 本年の国家試験の衝撃的ともいえる合否結果に学内では激震が走っています.原因と現状を改めてよく分析して早急に対策を練り上げ,歯学部教職員が一丸となって必ず挽回することをお約束し,ご挨拶とさせていただきます.
 どうぞ来年度も変わらぬご指導をよろしくお願い申し上げます.
大久保力廣
【近況報告】
・ 平成 27 年 7 月 18 日に子島潤教授が逝去されました. 去る 12 月 16 日に大学記念館記念ホールにて, 偲ぶ会が開催され, 御遺族, 教員, 職員そして学生が集い, 在りし日の子島先生を偲びました.
・ 7 月 31 日〜8 月 12 日の期間に第 47 回全日本歯科学生総合体育大会が奥羽大学歯学部の事務主管により開催されました. 鶴見大学の総合成績は 29 校中 17 位でした. 第 48 回歯学体は, 東京医科歯科大学歯学部の事務主管により, 冬季部門が今年の 12 月〜3 月に, 夏季部門が平成 28 年 8 月上旬より開催される予定です.
・ 9 月 25 日鶴見大学父母会より, 課外活動での荷物運搬用として, 自動車 1 台を寄贈して頂きました.
・ 10 月 24, 25 日に第 51 回紫雲祭が開催されました.
・ 12 月 12 日に鶴見大学歯学会第 82 回例会が開催されました. ・ 3 月 14 日に卒業式が行われ,歯学部は 98 名が卒業しました.
平成 27 年度下半期 有床義歯補綴学講座の動向
・9 月 12 日に大久保力廣大会長、米山喜一準備委員長のもと鶴見大学会館にて平成 27 年度日本医用歯科機器学会第 25 回研究発表大会が開催されました。大会後の懇親会は、Bar Lime Light において山田ゆきさんの素敵なジャズを聴きながら、道具大賞の表彰が行われました。

・ 11 月 5〜7 日にケープタウン (南アフリカ共和国) にて開催された第 9 回 IFED (International Federation of Esthetic Dentistry) において佐藤洋平講師がポスターコンペティションで 1stPrize を受賞し, 表彰されました.


・ 大久保力廣教授と Eun-Jin Park 教授 (Department of Prosthodontics, Ewha Womans University School of Medicine)
の共同研究課題が JSPS 二国間交流事業に採択されました. 2016 年 4 月 1 日〜2018 年 3 月 31 日の 2 年間, 国際共同研究活動を行います. 研究課題は「医用画像と 3D プリンティング技術を用いたデジタル義歯と顎補綴装置に関する基盤研究」です.
・ 3 月 31 日講座の送別会が中華街の聘珍樓で行われ、13 名の医局員を送り出しました。
【学会発表】
1) 日本医用歯科機器学会第 25 回研究発表大会(鶴見大学会館,2015.9.12)
・住友将一,伊原啓祐,松本敏光,大久保力廣
口演「Apple 社製デジタルデバイスを用いたデモンストレーションシステムの構築」
・原田直彦,伊原啓佑,松本 敏光,大久保力廣
口演「照射形状を点から線に改良したレーザーポインターを臨床技工に活かす」
2) 第 45 回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会(岡山コンベンションセンター,2015.9.22)
・河野健太郎ほか
口演「緩圧型ボールアタッチメントの臨床応用」
・鈴木恭典ほか
口演「ミニインプラントを用いたオーバーデンチャーの応力解析に関する研究」
・荒井佑輔,星 憲幸,早川 徹,大久保力廣ほか
口演「多軸鍛造加工純チタンのインプラント応用のための特性評価」
3) 鶴見大学歯学会第 82 回例会(鶴見大学会館,2015.12.12)
・邑田歳幸,西山雄一郎ほか
口演「床栓塞子を先行製作する術式を用いた顎義歯の一症例」
・河野健太郎ほか
口演「緩圧型ボールアタッチメントの臨床応用」
4) 日本磁気歯科学会第 25 回学術大会(東京医科歯科大学,2015.11.15)
・新保秀仁ほか
口演「歯科用磁性アタッチメントの最近 10 年間の動向」
・岡山章太郎ほか
口演「軟性レジンを使用した磁石構造体の固定法に関する研究」
5) 平成 27 年度日本補綴歯科学会西関東・東関東合同学術大会(パシフィコ横浜,2016.1.10)
・白井麻衣ほか
口演「生理活性物質を有する脱灰骨シートを用いた即時インプラント周囲の骨増生」
・清水 賢ほか
展示「MDF 純チタンの耐摩耗性と切削・研削性」
・櫻井敏継ほか
口演「DNA/プロタミンレイヤー固定化チタンインプラントに対する骨形成」
6) 日本口腔インプラント学会第 35 回関東・甲信越支部学術大会(京王プラザホテル,2016.2.13)
・鈴木銀河ほか
口演「インプラントオーバーデンチャー用緩圧型磁性アタッチメントの負担圧配分」
7) 平成 27 年度日本補綴歯科学会九州支部学術大会(福岡県歯科医師会館,2015.8.23)
・小関優作,田中利佳,佐藤 薪ほか
展示「レジンに付着した Candida albicans に対する植物精油の除去効果について」
8) 39th Annual Conference of the European Prosthodontic Association(Designhotel Elephant,2015.9.3)
・Matsuda R, et al.
展示「Development of a continuous cingulum rest using an adhesive composite resin」
・Sato M, et al.
展示「Evaluation of CAD/CAM denture, “Whole You” milled denture」
9) 神奈川県歯科医師会第 14 回学術大会(パシフィコ横浜,2016.1.10)
・栗原大介ほか
展示「神奈川県高等学校体育連盟におけるスポーツマウスガードに関するアンケート調査」
10) 第 45 回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会(岡山シティミュージアム,2015.9.22)
・八木 亮ほか
展示「小型化した試作緩圧型磁性アタッチメントの維持力および被圧変位性」
・宇澤匡俊,積田光由,小久保裕司,榊原康智,大久保力廣
展示「単独歯インプラント補綴装置のトラブルの評価」
11) The 15th international conference on magnetic applications in dentistry(インターネット会議,2016/2/29-3/18)
・Okayama S, et al.
展示「Fixation of modified magnet assembly to denture base using soft resins」
【講演】
新保秀仁
・「「デジタルデンチャーの現状と未来」デジタルテクノロジーを用いた有床義歯補綴治療」
(日 本 医 用 歯 科 機 器 学 会第 25 回研究発表会,鶴見大学会館,2015.9.12)
大久保力廣
・「有床義歯のあるべき姿を探る〜その診査・設計・製作術式〜」(神奈川歯科大学,神奈川県支部同窓会,2015.11.14)
・「歯科分野における積層造形技術の臨床的期待」(第 9 回金属光造形複合加工医療機器フォーラム,松浦東京フォーラムセンター,2015.12.5)
・「パーシャルデンチャーの設計と咬合採得」(九州大学歯学部口腔機能修復学講座講演会,2016.1.28)
・「ピエゾグラフィーを用いた生理的全部床義歯」(横浜市戸塚区・緑区歯科医師会 2016.3.5)
【講義】
大久保力廣
・「インプラントデンチャーを成功させるための一考察」(日本口腔インプラント学会第 35 回近畿・北陸渋学術大会専門医許育セミナー,2015.12.12
・「部分床義歯補綴学講義 「部分床義歯によるリハビリテーション」」(九州大学歯学部,2016.1.28)
【執筆】
大久保力廣
・「医局紹介 研究プロジェクトの精鋭たち」(クインテッセンス, 34(10):136,2015.)
【座談会】
・室伏広治,住友雅人,安井利一,上野俊明,松野智宣,大久保力廣
「歯科とスポーツの関わり!2020 年東京オリンピック・パラリンピックに向けて スポーツに対する司会学の貢献と発展」(日本歯科医学会誌 35:7−32)
【論文】
・村田比呂司,志賀 博,大久保力廣,渋谷友美,近藤尚知,櫻井 薫,田中順子,松香芳三,水口俊介,鱒見進一,大川周治,西 恭宏,越野 寿,佐々木啓一,赤川安正,川良美佐雄,菊谷 武,吉田光由,古谷野 潔
「高齢者の栄養障害に義歯装着がもたらす効果と高齢義歯装着者への摂食・栄養指導のガイドラインに関するプロジェクト研究」【日歯医学会誌:34,54-58】
・大久保力廣
「-パーシャルデンチャーの設計を再考する- 歯に最大限の支持と把持を求める」【日補綴会誌 8:39−44,2016】
・Ohkubo C, Park EJ, Kim TH, Kurtz KS,
Digital relief of the mental foramen for a CAD/CAM fabricated mandibular denture
【J Prosthodont、In press】
・Ohkubo C, Shimizu S, Murata T, Miyama Y, Kurtz KS
Development of a lingual rest seat using adhesive composite resin after RPD delivery
【Euro J Prosthodont, In press】
・高山慈子
予後調査からみた磁性アタッチメントの現状
【日磁歯誌: 24(1), 32-40】
【著書】
・三浦英司,大久保力廣
「設計のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・佐藤洋平,大久保力廣
「前処置のレベルアップポイント」((日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・鈴木恭典,大久保力廣
「印象採得のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・鈴木清貴,大久保力廣
「咬合採得のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・高山慈子,大久保力廣
「試適のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・西山雄一郎,大久保力廣
「装着時調整のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・米山喜一郎,大久保力廣
「リラインのレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・新保秀仁,大久保力廣
「義歯修理のレベルアップポイント」(日常臨床のレベルアップ&ヒント 72,デンタルダイヤモンド別冊,2015)
・新保秀仁,大久保力廣,前田祥博
(接着歯学,医師薬出版,87-89,2015)
・藍 稔,五十嵐順正編,大久保力廣ほか
(スタンダードパーシャルデンチャー補綴学,学研書院,2016)

<退職される先生方のご挨拶>
佐藤 薪


ご指導下さった先生方はじめ、同期やたくさんの後輩に恵まれたかけがえのない 7 年間となりました。 感謝の気持ちでいっぱいです。
長田 秀和


大学院生として当講座に入局して 7年が経ちました。本当に多くの良い指導者と講座の医局員に出会い、とても居心地の良い講座でした.すべての人との出会いとお心遣いに,心より感謝申し上げます.
漆原 優


大学院 4 年間,学部助手として2 年間.計 6 年間大変お世話になりました.本当に人に恵まれた 6 年間でした. 6 年間で学んだことを忘れずにこれからも研鑽を積んでいきたいと思います.有難うございました.
河野 健太郎


大学院と臨床助手を含めて,6年間お世話になりました.有床義歯補綴学講座では,補綴だけでなく人として歯科医師として多くの事を学ばせて頂きました.今後は,新天地にて講座で学んだ事を生かして頑張りたいと思います.
松田梨沙


有床義歯補綴学講座に入局して6年間、充実した日々を送ることが出来ました。まだまだ未熟者ですが、学んだことを糧に今後も日々成長し、社会に貢献できるように頑張っていきたいと考えております。本当にありがとうございました。
川嶋 一誠


長い間お世話になりありがとうございました。あっという間の 6年間でしたが、大変楽しく勉強させていただきました。たくさんの部活の後輩たちも入局して、大好きなスキーも存分に楽しませていただきました。。
羅 広煇


研修医の時、義歯患者を多く拝見することができ、そのお陰で義歯の難しさを痛感し入局に至りましたが、4 年間で諸先生方から様々な御教授を頂き自信をつけることができ感謝しております。ありがとうございました。
佐久間 美帆


3年間大変お世話になりました。1年目は目の前の症例に戸惑い、多くの先生方にご迷惑をお掛けしました。辛いことも楽しいこともご指導いただいた先生方、先輩、同期、後輩に支えられ貴重な経験をさせていただきました。 本当にありがとうございました。
芝野紫保里


3年間お世話になりました。3 年間で歯科医師としての考え方・治療への取り組み方、知識・治療技術ともに大きく変わりました。3 年間続けることができ本当によかったです。様々な事を教えてくださった皆様に感謝しています。ありがとうございました。
篠崎さやか


3 年間、たくさんの貴重な経験をさせていただきました。学んだことを、今後の診療に生かしていきたいと思います。お世話になった先生方、心から感謝しております。
ありがとうございました。
清水英城


2 年間という短い間でしたが、ベーシックとアドバンスの講義、実習で成長できたと思います。お世話になりました。
松本洋平


2 年間という短い間でしたが、補綴学という奥深い学問を、経験豊富な先生方や、頼もしい先輩や同期など、恵まれた環境の中で学べたことが、とても幸せでした。退職後も、この講座で学んだ事を生かして、患者さんのために一生懸命頑張りたいと思います。有難うございました。
大松俊之


この度,退職させていただくことになりました.短い期間ではありましたが,多くのことを学ばさせて頂きました.
今後は学んだことを糧に研鑽を積んでいこうと思います.ご指導いただいた先生方に感謝申し上げます.
【今後の学会予定】
第 67 回日本歯科理工学会学術講演会 4.16~17 九州大学医学部 100 年講堂
第 7 回日本デジタル歯科学会学術大会 5.28~29 北海道立道民活動センターかでる 2・7
第 94 回 IADR 6.22~25 Seoul, Republic of Korea
第 125 回日本補綴歯科学会学術大会 7.8~10 石川県立音楽堂
第 46 回日本口腔インプラント学会学術大会 9.16~18 名古屋国際会議場


ニュースレター担当
米山喜一,新保秀仁,松田梨沙



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