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Department of Removable Prosthodontics 鶴見大学 歯学部有床義歯補綴学講座

講座紹介 Introduction of the departmentreal estate


口腔リハビリテーション補綴学講座

口腔リハビリテーション補綴学講座は歯を喪失した後の,審美的,機能的障害ならびに心理的問題を可撤性(取り外し式)義歯により修復,改善することを目的に,教育,臨床,研究を行っています.
教育では1)歯型彫刻,2)全部床義歯学,3)部分床義歯学および統合科目(総合歯科医学,う蝕学,咬合学,生体材料,インプラント学,医療人間科学)を担当しています.臨床では1歯欠損から無歯顎に至る広範囲な欠損様式に対し,金属構造義歯,アタッチメント義歯,顎補綴,インプラントデンチャーなど多様な診療を行っています.また,義歯の設計や臨床術式に有益な示唆を与え,有床義歯診療のエビデンスとなりうる研究を進めています.
また,卒後研修プログラムとして3年制の専門医取得コースを開催しており,従来の欠損補綴からインプラントデンチャーまで補綴の専門教育を行っています.

沿革

昭和45年8月,尾花甚一教授が着任し,歯科補綴学講座を開設した.前後して大山喬史先生,細井紀雄先生,宮田孝義先生らが着任して講座の基礎を作った.

昭和52年4月中沢 勇教授が着任.

昭和56年12月,細井紀雄助教授が教授に昇任し,翌年4月より歯科補綴学第三講座を開講し,全部床補綴学と顎補綴を担当することとなった.

平成8年4月,高齢者歯科学講座の開設に伴って歯科補綴学第一講座と第三講座は統合され,細井紀雄教授のもと,歯科補綴学第一講座として新たなスタートを切った.

細井教授の退職の後,平成21年1月より大久保力廣教授が就任し,現在に至っている.

平成23年4月より、有床義歯補綴学講座と講座名を変更した.

令和5年4月より、口腔リハビリテーション補綴学講座と講座名を変更した.
伝統的な補綴学とインプラントや再生医療を応用した新規の補綴学を統合し,時代の要請に応える良質な歯科医師の育成と地域社会の健康増進に積極的に寄与する.教育面では基礎実習の効率化を図りつつ,臨床実習のハイレベル化や義歯設計に有用な画像閲覧データベースを構築し,学生本位の教育を行う.臨床面では研究マインドを伴った最高水準の診療を実践し,専門医プログラムやインターナショナルプログラムを実施する.研究面では臨床研究や他施設との共同研究を推進させ,外部評価に耐えうる実績を上げるとともに,若手研究者の育成を目指す.また,国際交流や社会貢献を促進し,歯学,歯科医療,鶴見大学の発展に尽力する.

受診患者の皆さまへ

口腔リハビリテーション補綴学講座では、日々の診療の中で将来の歯科医療に役立つような新しい技術、術式の考案や歯科材料、器材の開発を行っています。そのために、これまでの診療に関連する記録(口腔内写真、ビデオ、レントゲン写真、アンケート調査結果、各種機能評価等)を分析しなければなりません。「後ろ向き調査」、「遡及的研究」と呼ばれますが、過去の膨大な記録の中からいくつかの条件に限定して着目することで、それまでは気づかなかった発見や新しい見解が生まれます。また、歯学部学生の教育や専門医審査のために口腔内写真やレントゲン写真を使用することがあります。受診患者の皆様にはこうした教育、診療、研究、審査のため、日々の診療に関連する記録を使用させていただくことをご理解・ご了解いただきたいと存じます。その際にデータは必要であっても、名前やIDなどの個人情報は一切使用されないことを明記いたします。

診療科目

昭和44年11月鶴見大学歯学部附属病院開設以来、1歯欠損から無歯顎に至る広範囲な欠損様式に対し、金属構造義歯、アタッチメント義歯、顎補綴、インプラントデンチャーなど多様な診療を行っている。

部分床義歯補綴治療(Removable Partial Denture)

部分床義歯は、歯根膜と顎堤粘膜という被圧変位量の異なる組織によって支持されています。このため、残存組織を保護しつつ、充分に機能を発揮できるような診断と設計が必要です。また1歯欠損から1歯残存に至るあらゆる欠損症例に適用されます。さらに人工歯と義歯床に加え、支台装置や連結装置など構成要素も多く、設計は多様となります。各種アタッチメントを用いた審美性の高い義歯、金属構造による永続性の高い義歯、FBIテクニックを用いた高精度な義歯、生体親和性に優れたチタン床義歯等、ハイレベルな義歯を製作します。

全部床義歯補綴治療(Complete Denture)

無歯顎患者は咬合機能を全く喪失しており、軟組織によって維持、支持されることが特徴です。特に正しい義歯咬合位を構成することが大切です。発音も不自由になり、口唇や頬の支持が失われて、いわゆる老人性顔貎を呈します。全部床義歯の装着によって機能と審美性の回復がなされるわけです。全部床義歯は人工歯と義歯床で構成され、単純な形態を有していますが、口腔内で維持、支持、安定を得るためには、顎口腔系との調和が保たれなければなりません。当講座ではフレンジテクニック、リモールディング、ピエゾグラフィーにより生理学的に製作した快適性の高い義歯を提供しています。

インプラント治療(Implant Denture)

インプラントオーバーデンチャーでは、義歯はインプラントに強固に維持・支持されるため、上顎では口蓋部を広く開放することができ、下顎では最大開口しても義歯が離脱しないようになります。また、通常の部分床義歯では困難な部分欠損の難症例に対してもインプラントは有効で、少数のインプラントを埋入することで義歯の動きを大幅に抑制し、長期間の良好な予後が期待できます。特に高度に顎堤吸収した下顎の無歯顎には有効で、2本のインプラントの埋入により義歯機能が飛躍的に向上します。当講座では診断から義歯装着、メインテナンスまで一貫したインプラント治療を行っています。

顎顔面補綴治療(Maxillofacila Prosthodontics)

腫瘍、外傷、炎症、先天奇形などが原因で、顎骨とその周囲組織に生じた欠損に対し、人工物で補填あるいは修復し、失われた機能と形態の回復を図ります。特に顎顔面補綴治療にあたっては、その障害が多岐にわたるため、チームアプローチが必要であり、医科や口腔外科、矯正科、小児歯科などと連携して治療が行われています。


研究


義歯の設計や臨床術式に有益な示唆を与え、有床義歯診療のエビデンスとなりうる研究を推進、
昭和45年〜 直接リベース法とリベース材の開発、 義歯床の適合検査と検査材の開発 等
昭和57年〜 (第一講座) OPAnchor アタッチメントの開発と予後、キャップクラスプ, 機能的咬合印象法,すれ違い咬合の分類基準と臨床的意義, 金属構造義歯の設計と臨床 等 (第三講座) 義歯床下粘膜の負担圧分布,咀嚼筋筋電図と咬合力, 全部床義歯装着者の予後 等  
平成8年〜(統合第一講座) チタン床義歯, 磁性アタッチメントの応用と新技術, 軟質裏装材の理工学的性質と応用, インプラントオーバーデンチャー, 義歯治療効果の評価(脳機能測定) 等

物件イメージ03

基礎的研究

生体工学:歯科用チタン,レーザー溶接,熱可塑性樹脂,軟質裏装材,再生材料,摩耗試験
生体医学:デンチャープラーク,舌機能,疼痛閾値,生体バランス

臨床研究

義歯設計:可撤性支台装置,CAD/CAM,
金属構造義歯,予後調査

脳機能:ESAM, DIMENSION, NAT
インプラント:インプラントデンチャー
アタッチメント,上部構造,機能評価

臨床術式:ピエゾグラフィー,リテイナー型義歯
FBI,SAS

最近の研究業績

Ohkubo C, Kobayashi M, Suzuki Y, Hosoi T. Effectofimplant support on distal extension removablepartial dentures: In vivoassessment. Intl J OralMaxillofac
Implant 2008; 23:1095-1101.

Takayama Y, Miura E, Yuasa M, Kobayashi K,Hosoi T.Comparison of occlusal condition and prevalence ofbone change inthe condyle of patients with and without temporomandibular disorders. OralSurg OralMed Oral Pathol Oral Radiol Endod
2008; 105: 104-112.

Ohkubo C, Hanatani S, Hosoi T.Presentstatus oftitanium removable dentuers -a review of theliterature. J Oral Rehabil 2008;35: 706-714.

Ohkubo C, Baek KW. Does the presence of antagonist remaining teethaffect implant overdenture success? A systematic review. J Oral Rehabil.2010;37:306-12.

Takabayashi Y.Characteristics of thermoplastic resinsfor non-metal clasp dentures. DentMater J 2010 (inpress)



教育




1)歯型彫刻,2)全部床補綴学,3)部分床補綴学, 4)臨床実習および5)統合科目(総合歯科医学,う蝕学,咬合学,生体材料学,医療人間科学)を担当. 1)歯型彫刻 3年前期(14週)解剖学に基づく歯の形態を彫刻の技法により造形する実習. 2)全部床補綴学 3年後期(講義14週・実習21週)全部床義歯の装着による機能と顔貎の回復を学び,上下顎全部床義歯の製作を行う. 3)部分床補綴学 3年後期,4年前期(講義14週・実習21週)部分床義歯の構造と機能,種類と適応症などを理解する.印象採得,咬合採得,製作過程,術後管理などを学ぶ. 4)臨床実習 5年前期~6年前期有床義歯1装置を必修課題とし,学生自身による有床義歯診療と製作技工を行う.出版図書:昭和51年10月「最新歯型彫刻‐理論と実際‐」平成16年9月「無歯顎補綴治療学」 等
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歯型彫刻     1年後期(14週)

解剖学に基づく歯の形態を彫刻の技法により造形する実習です。

これは歯科独特基礎実習技術の習得であると同時に、歯の形態的特徴に関する認
識を深め、歯種の識別能力を養う実習です。

歯の解剖学的名称、歯冠の形態的特徴を理解し、上下顎、左右側、頬舌側、咬合面
の形態の理解を深め、独特の道具の使い方を習熟します

医療人間科学・実習    統合科目 2年前期

歯科医療人としての幅広い教養と豊かな人間性を身に付けるために必要な知識・態度・技能を学びます。
歯学概論から病院見学まで多岐にわたる講義項目を含む本学科目は1〜3のサブユニットに分かれます。
各サブユニット内の全ての講義および以下のSGLに参加します。学生参加型の学習形態であるSmall group leaning(SGL)では6〜7名の小グループに分かれてワークショップ(WS)の手法で小グループの討論(Small group discussion:SGD)と全体討議(Plenary discussion:PD)を行います。
SGL実施に際しては本学教員がタスクフォースとして学生の指導に当たります。

全部床義歯補綴学 3年後期(講義14週・実習28週)

無歯顎患者の病態を知り、全部床義歯の装着により、機能と顔貎の回復を図れることを学びます。
軟組織、顎堤粘膜によって維持・支持・安定を図る全部床義歯、患者の診療、印象採得、顎問題関係の記録、咬合調整の重要性を理解し、上下顎全部床義歯の製作を行います。

部分床義歯補綴学   3年後期、4年前期 (講義14週・実習28周)

部分床義歯補綴学の基本を学習します。前半は基礎編として部分床義歯の概念を学び、可微性義歯の目的と意義、具備条件、構造と機能、種類と適応症などを理解します。

後半は臨床編として欠損補綴の診断と診療計画、設計原理、印象採得、下顎位と咬合採得、製作過程、術後管理などを学びます。

総合歯科医学(U)  統合科目 6年後期(20週)

この科目は、歯科医学に関する知識の再整理を目標としています。これまで5年余りの間に学習した専門科目の全てに関し、臨床実習の終わったこの時期に、基礎と臨床を有識的に関連づけて、総合的に知識の再整理を行います。すなわち、臨床実習以前には、単なる机上の知識に過ぎなかったものを、臨床実習を通過したこの時期に再度学習することによって、全部床義歯補綴学、部分床義歯補綴学をより確実な知識とします。また、それぞれの疾病に対する問題解決能力を養います。



専門医取得プログラム   卒後

日本補綴歯科学会専門医の取得を目指した3年制(1年:ベーシックコース、2年:アドバンスコース、3年:スペシャリストコース)の講義と実習からなるプログラムです。

また、補綴関連の研究あるいは症例に関して各種学会で発表を行います。

1年目は補綴の総論から各種テクニックまで15回の講義と口腔内写真撮影から部分床義歯設計、ゴシックアーチ、人工歯排列、半調節性咬合器の使用などの実習を行います。

また年度末には全医局員を相手に症例発表をしなければなりません。

 
2年目はより高度な補綴領域に関する講義と診断用ワックスアップやインプラント治療など、アメリカの補綴専門医プログラムも参考にした多くの課題が義務付けられています.

また、補綴関連の研究あるいは症例に関して各種学会で発表を行います。
















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